空飛ぶさんしょううお

北から都会に出て来て根っこのはえつつある、しがない会社員の落書き帳です。ノスタルジックだったり頭でっかちだったりしながら思う存分好きなことを好きな表現で書きます。

行い

胸部が痛む。時たま、胸の中央の少し背中側に激痛が走る。昨日は帰り道、一瞬動けなくなった。肉を食べたあとのようなささくれた骨を思い切り背中に振りおろされたように、局所的なようで細かな痛みが一部に思い切り刺さる。

これもまた日々の行いの悪さだと思う。精神的なものでなく、身体的なほうの意味でだけれども……。

夜まで会社にいることもすっかり慣れてしまい、予定もなく残らなくて良い日は不安に刈られてしまう。なのでどうしても、アルコールを引っかけに出て、家につく時間はだいたい似たようなものだ。0時を回らないだけ早く感じる。

これは予定を詰めたがる性格というよりは、昔からの行いに紐付いているように思う。中学生の頃、ピアノと勉強の二足のわらじを履いており、家に帰ればどちらかをやらなればならなかった。練習も勉強も好きではなかった私は、意味もなく学校で友人とだらだら過ごした。山の上にある校舎からは、少し低い山、街、海が一望できた。赤々と照った太陽が水平線に沈みだすと、そろそろ帰る時間だ。太陽の沈みきった学校は街灯と少しの街の光しか明かりはなくて、罪悪感を一層高めて帰路についたものだ。

高校生になっても、同じように時間を潰して帰った。高校生の頃の方がたちが悪く、塾で自主勉強をしているふりをして帰った。真っ暗な時間に帰ることも抵抗が薄れ、厳しく定められていた門限は完全に形骸化していた。

大学生になり、最初は女子寮に入った。これがまた苦痛で、12畳の4人部屋だった。次の部屋もまたルームシェアで、とにかく住環境に恵まれなかった。中高生の頃の癖も染み付いていたのもあり、余計に外に出るようになった。外に出るといっても特段社交的なわけではないので、クラブに行ったり友人の家に入り浸るようなことはしなかった。人を誘うのも億劫でひとりでごはんを食べたり酒を飲んだりすることにもすぐに慣れた。

この年齢で節々を痛いと思ってしまうのも、これまでの行いの積み重ねでしかないのかもしれない。そう思うと、どれだけ健康サプリを飲んでももうどうにも取り返しがつかないと思う。


150224